ビッグデータによる心拍変動の因子分析
【背景】心拍変動には様々な指標があるが、相互に相関するものも多く、背後にある共通特性によって規定されていることが示唆される。そこでビッグデータを用いて指標間の共通因子を抽出し各因子の特性を調べた。【方法】24時間心電図ビッグデータALLSTARの洞調律254,357 (女性140,580)例を対象に、mean NN、SDNN、rMSSD、VLF、LF、HF、LF/HF、scalingべき数α1、DC、心拍数周期性変動振幅Acv、非ガウス性指標λ25sを求め、因子分析(主因子法、Promax回転)を行った。【結果】相関matrixには1を超えるeigenvalueが2つ存在し、各63%、27%(...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S221 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual56.S221 |
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Summary: | 【背景】心拍変動には様々な指標があるが、相互に相関するものも多く、背後にある共通特性によって規定されていることが示唆される。そこでビッグデータを用いて指標間の共通因子を抽出し各因子の特性を調べた。【方法】24時間心電図ビッグデータALLSTARの洞調律254,357 (女性140,580)例を対象に、mean NN、SDNN、rMSSD、VLF、LF、HF、LF/HF、scalingべき数α1、DC、心拍数周期性変動振幅Acv、非ガウス性指標λ25sを求め、因子分析(主因子法、Promax回転)を行った。【結果】相関matrixには1を超えるeigenvalueが2つ存在し、各63%、27%(計90%)の分散を説明したため2因子の抽出を行った。回転後の因子パターンでは、因子1にはVLF、LF、HF、Acvが強い正の寄与を、因子2にはα1とLF/HFが強い負の寄与を示した。因子1のスコアは0~20歳まで増加、その後100歳まで単調減少し、アクチグラフによる1日の平均身体活動度に比例して増加した。一方、因子2は男性で高く、5~45歳まで減少、65~100歳まで増加するV字型の変化を示し、身体活動量ともV字型の関連を示した。【結論】24時間心拍変動指標の背後には心臓迷走神経機能と変動の複雑性または不規則性が共通因子として存在し、加齢や身体活動とそれぞれ異なった関係を示すことが示された。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual56.S221 |