免疫系受容体の弱く速い結合を介したリガンド認識機構

免疫系受容体は、自己・非自己を見分け、免疫活性あるいは抑制シグナルの起点となることで生体内の恒常性を維持するという重要な役割をもつ。しかし、この免疫系受容体とリガンドとの結合は、抗体等の可溶性タンパク質と異なり、弱い相互作用であり、解離速度が速いことから、正確な結合の評価に困難が伴う。本稿では、この免疫系受容体のリガンド認識における弱く速い相互作用について、物理化学的および構造生物学的手法を用いて明らかとなってきた速度論的および熱力学的特徴とその立体構造との関連について概説する。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inDrug Delivery System Vol. 37; no. 2; pp. 112 - 121
Main Authors 前仲, 勝実, 渡邊, 紘士, 黒木, 喜美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 25.03.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0913-5006
1881-2732
DOI10.2745/dds.37.112

Cover

More Information
Summary:免疫系受容体は、自己・非自己を見分け、免疫活性あるいは抑制シグナルの起点となることで生体内の恒常性を維持するという重要な役割をもつ。しかし、この免疫系受容体とリガンドとの結合は、抗体等の可溶性タンパク質と異なり、弱い相互作用であり、解離速度が速いことから、正確な結合の評価に困難が伴う。本稿では、この免疫系受容体のリガンド認識における弱く速い相互作用について、物理化学的および構造生物学的手法を用いて明らかとなってきた速度論的および熱力学的特徴とその立体構造との関連について概説する。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.37.112