未変化体シスプラチンの定量と体内動態解析への適用

シスブラチン(以下CDDP)は, 高い抗悪性腫瘍効果があり臨床において注目されている薬物である. CDDPの体内動態は従来より様々な方法で解析されているが, 従来の方法では活性を持つタンパク非結合形の未変化体(以下UPt)を定量していないため, CDDPの体内動態を把握するには不十分であった. CDDPの血漿中および尿中の UPt を測定することは, CDDPの臨床効果および副作用をモニタリングする上で非常に重要であると思われる. 今回我々は, K. C. Marsh らが報告1)した, Postcolumn を用いた選択的 HPLC 法(以下HPLC-PC法)を一部変更し, UPt の定量法...

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Published in薬物動態 Vol. 3; no. 5; pp. 662 - 663
Main Authors 染谷, 一彦, 高橋, 悟, 大野, 哲郎, 木下, 雅文, 辻野, 大二郎, 高橋, 利明, 田中, 美雄, 緒方, 宏泰, 増原, 慶壮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬物動態学会 1988
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ISSN0916-1139
DOI10.2133/dmpk.3.662

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Summary:シスブラチン(以下CDDP)は, 高い抗悪性腫瘍効果があり臨床において注目されている薬物である. CDDPの体内動態は従来より様々な方法で解析されているが, 従来の方法では活性を持つタンパク非結合形の未変化体(以下UPt)を定量していないため, CDDPの体内動態を把握するには不十分であった. CDDPの血漿中および尿中の UPt を測定することは, CDDPの臨床効果および副作用をモニタリングする上で非常に重要であると思われる. 今回我々は, K. C. Marsh らが報告1)した, Postcolumn を用いた選択的 HPLC 法(以下HPLC-PC法)を一部変更し, UPt の定量法を確立した. この定量法を用いてラットおよびヒトにおける UPt の体内動態の解析, 血漿中および尿中での UPt の安定性の検討を行った.
ISSN:0916-1139
DOI:10.2133/dmpk.3.662