集中治療室において薬剤師が介入を行った薬物関連問題に関する重要業績評価指標

目的:近年,ファーマシューティカル・ケアの向上を目的とした重要業績評価指標(key performance indicator;KPI)の一つとして薬物関連の問題(drug related problem;DRP)に対する薬剤師の関与が海外では重視されている。しかし国内でKPIとして集計している施設は少なく,集中治療領域では皆無である。方法:2020年7月~2023年1月に名古屋大学医学部附属病院(以下,当院)の内科系および外科系ICUに入室した患者について,薬剤師が対応した件数を集計した。計算方法はDRP(件数/患者数)=薬剤師による疑義照会または情報提供の件数/入室患者数とした。ただし,夜...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 28; no. 3; pp. 486 - 491
Main Authors 稲垣, 孝行, 福澤, 翔太, 宮川, 泰宏, 阪井, 祐介, 池末, 裕明, 山田, 清文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 30.06.2025
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.28.486

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Summary:目的:近年,ファーマシューティカル・ケアの向上を目的とした重要業績評価指標(key performance indicator;KPI)の一つとして薬物関連の問題(drug related problem;DRP)に対する薬剤師の関与が海外では重視されている。しかし国内でKPIとして集計している施設は少なく,集中治療領域では皆無である。方法:2020年7月~2023年1月に名古屋大学医学部附属病院(以下,当院)の内科系および外科系ICUに入室した患者について,薬剤師が対応した件数を集計した。計算方法はDRP(件数/患者数)=薬剤師による疑義照会または情報提供の件数/入室患者数とした。ただし,夜間(17:00以降)にICUへ入室し,翌日の午前中に退室した患者については除外とした。結果:DRPは2.1件/患者であり,外科系集中治療室では1.3件/患者,内科系集中治療室では7.0件/患者であった。結論:DRP件数および主な介入内容は既報と類似していた。今後は,各施設の状況を踏まえてさまざまなKPIの作成と共有が期待される。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.28.486