足浴による温熱作用が健常成人の運動機能に与える影響 性差による足浴温熱効果の特徴

「I はじめに」足浴は, 全身浴と比較して脱衣を要さずに実施でき, 静水圧や浮力の影響がなくとも全身に対して温熱による効果が一定に得られる. その手軽さと安全性から全国各地の温泉施設や観光地に設置され, 様々な状況下で利用されている. 医療施設では, 看護ケア分野が先駆けて足浴を実施しており, 臨床的研究におけるエビデンスの構築についても試みられている1). 近年では, 足浴による循環動態の変化2)や自律神経系に与える影響3)などの生体反応に関する研究が盛んに行われており, その効果についてより明確になされてきている. リハビリテーション(以下リハ)医療分野においては, 温熱療法の一環として足...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 72; no. 2; pp. 141 - 147
Main Authors 川村, 陽一, 田中, 紀行, 鈴村, 恵理, 出口, 晃, 美和, 千尋, 島崎, 博也, 杉村, 公也, 白石, 成明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 2009
日本温泉気候物理医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki.72.141

Cover

More Information
Summary:「I はじめに」足浴は, 全身浴と比較して脱衣を要さずに実施でき, 静水圧や浮力の影響がなくとも全身に対して温熱による効果が一定に得られる. その手軽さと安全性から全国各地の温泉施設や観光地に設置され, 様々な状況下で利用されている. 医療施設では, 看護ケア分野が先駆けて足浴を実施しており, 臨床的研究におけるエビデンスの構築についても試みられている1). 近年では, 足浴による循環動態の変化2)や自律神経系に与える影響3)などの生体反応に関する研究が盛んに行われており, その効果についてより明確になされてきている. リハビリテーション(以下リハ)医療分野においては, 温熱療法の一環として足浴が実施されることがある. 足浴による温熱作用は, 血管拡張やコラーゲン線維の柔軟化をもたらし, 運動機能に影響することが予測される. そこで, 今回, 柔軟性, 筋力, バランス, 敏捷性の運動機能に対して足浴による温熱作用がどのように影響するかを調査したので報告する.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki.72.141