急性期主幹動脈閉塞症に対するアルテプラーゼ投与の迅速化の試みRendezvous型drip & ship方式の実践と課題

脳梗塞超急性期治療としての血栓溶解療法の有効性が示されている。血栓溶解療法は早期の治療開始が必要であるが,脳卒中急性期医療実施施設までの距離が長い地域では,治療困難となる症例も多い。そこで,救急搬送の途上で患者に接触し,血栓溶解薬を救急車内で投与開始する方法(Rendezvous型drip&ship方式)を構築した。初診の医療機関で身体診察と神経診察,頭部画像検査と血液検査を実施し,脳梗塞急性期が疑われ転院搬送を行なう患者を対象とした。血栓溶解薬の投与にあたり支障が無いことを確認しながら,搬送途上で脳卒中診療医が合流し,速やかに血栓溶解薬の投与を開始することが可能になった。脳卒中急性期...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 74; no. 2; pp. 103 - 110
Main Author 天白 晶
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2025
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.74.103

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Summary:脳梗塞超急性期治療としての血栓溶解療法の有効性が示されている。血栓溶解療法は早期の治療開始が必要であるが,脳卒中急性期医療実施施設までの距離が長い地域では,治療困難となる症例も多い。そこで,救急搬送の途上で患者に接触し,血栓溶解薬を救急車内で投与開始する方法(Rendezvous型drip&ship方式)を構築した。初診の医療機関で身体診察と神経診察,頭部画像検査と血液検査を実施し,脳梗塞急性期が疑われ転院搬送を行なう患者を対象とした。血栓溶解薬の投与にあたり支障が無いことを確認しながら,搬送途上で脳卒中診療医が合流し,速やかに血栓溶解薬の投与を開始することが可能になった。脳卒中急性期医療実施施設から遠方の地域で,脳梗塞急性期治療を早期に開始する方法を確立し,治療効果を高めるための手段を検討した。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.74.103