1.拡張型心筋症患者の腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術
「膵頭十二指腸切除術と周術期輸液」 微小循環と細胞機能の維持には大循環の最適化が必要であり, 大循環の重要な決定因子である静脈内容量を維持するために輸液療法が行われる. しかしながら, 積極的な輸液療法による過剰輸液は浮腫の増悪から臓器障害リスクを上昇させ, 一方で, 過少輸液は臓器の虚血を惹き起こすため, 「輸液の最適化」の必要性が以前より述べられている. そして, 「輸液の最適化」の手段の一つとして目標指向型輸液療法(GDFT, goal directed fluid therapy)がある. 図1で示されているように, GDFTは一般的に動的指標による輸液反応性を評価し, 「輸液反応性あ...
        Saved in:
      
    
          | Published in | CIRCULATION CONTROL Vol. 44; no. 2; pp. 71 - 73 | 
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本循環制御医学会
    
        2023
     Japan Society of Circulation Control in Medicine  | 
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0389-1844 | 
| DOI | 10.11312/ccm.44.71 | 
Cover
| Summary: | 「膵頭十二指腸切除術と周術期輸液」 微小循環と細胞機能の維持には大循環の最適化が必要であり, 大循環の重要な決定因子である静脈内容量を維持するために輸液療法が行われる. しかしながら, 積極的な輸液療法による過剰輸液は浮腫の増悪から臓器障害リスクを上昇させ, 一方で, 過少輸液は臓器の虚血を惹き起こすため, 「輸液の最適化」の必要性が以前より述べられている. そして, 「輸液の最適化」の手段の一つとして目標指向型輸液療法(GDFT, goal directed fluid therapy)がある. 図1で示されているように, GDFTは一般的に動的指標による輸液反応性を評価し, 「輸液反応性あり」つまり心拍出量増加が見込める範囲で輸液を行うことが管理の主たるコンセプトである. GDFTの施行により縫合不全や創部感染, 肺炎の発生率が減少することが, 非心臓手術を対象とした76の無作為比較試験のメタ解析で示されている. | 
|---|---|
| ISSN: | 0389-1844 | 
| DOI: | 10.11312/ccm.44.71 |