慢性閉塞性肺疾患患者における嚥下障害のリスクと影響要因の検討

本研究の目的は,COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: 以下COPD)患者の嚥下障害のリスクとその影響要因の実態を明らかにし,誤嚥性肺炎予防のための看護ケアの基礎的資料とすることである.COPD と診断され外来通院している62 名を対象に,自記式質問票,身体機能検査,診療録によりデータ収集を行い,嚥下障害リスクの影響要因に関して分析した.対象者のうち,嚥下障害リスクありと判断された者は46.8% であり,COPD 患者における嚥下障害リスクが少なくないことが推測された.COPD 患者の嚥下障害リスクの指標となりうる要因として,歯牙や義歯の適切さ,...

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Published in日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 21; no. 3; pp. 156 - 164
Main Authors 西, 依見子, 藪下, 八重, 籏持, 知恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 31.12.2017
日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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ISSN1343-8441
2434-2254
DOI10.32136/jsdr.21.3_156

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Summary:本研究の目的は,COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: 以下COPD)患者の嚥下障害のリスクとその影響要因の実態を明らかにし,誤嚥性肺炎予防のための看護ケアの基礎的資料とすることである.COPD と診断され外来通院している62 名を対象に,自記式質問票,身体機能検査,診療録によりデータ収集を行い,嚥下障害リスクの影響要因に関して分析した.対象者のうち,嚥下障害リスクありと判断された者は46.8% であり,COPD 患者における嚥下障害リスクが少なくないことが推測された.COPD 患者の嚥下障害リスクの指標となりうる要因として,歯牙や義歯の適切さ,COPD の罹患期間の長さが明らかになった.看護として,これらの影響要因を評価し,COPD 患者の嚥下障害のリスクを見極める必要性が示唆された.
ISSN:1343-8441
2434-2254
DOI:10.32136/jsdr.21.3_156