日本の大学生におけるCOVID-19ワクチン接種後の副反応

新型コロナウイルス感染症の重症化予防と感染拡大防止のために,5歳以上の全人口を対象としたワクチン接種が推奨されている。一方で,ワクチン接種による副反応の発生頻度は若者において高く,接種の躊躇につながっている。本研究では若者がワクチン接種を受ける際の判断材料となる情報を得るために,ワクチン接種後の大学生にアンケート調査をおこなった。mRNA-1273接種を受けた北里大学獣医学部の学生1,099人を対象として調査票を配布し,231人(回収率:21.0%)から回答を得た。ワクチン接種前に前もって副反応に関する情報を得ていた人は220人(95.1%)であり,そのうちソーシャルネットワークサービス(SN...

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Published in獣医疫学雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 39 - 48
Main Authors 金井, 一享, 上野, 俊治, 伊藤, 直之, 大高, 裕也, 田島, 一樹, 木村, 祐哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 獣医疫学会 20.07.2023
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ISSN1343-2583
1881-2562
DOI10.2743/jve.27.39

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Summary:新型コロナウイルス感染症の重症化予防と感染拡大防止のために,5歳以上の全人口を対象としたワクチン接種が推奨されている。一方で,ワクチン接種による副反応の発生頻度は若者において高く,接種の躊躇につながっている。本研究では若者がワクチン接種を受ける際の判断材料となる情報を得るために,ワクチン接種後の大学生にアンケート調査をおこなった。mRNA-1273接種を受けた北里大学獣医学部の学生1,099人を対象として調査票を配布し,231人(回収率:21.0%)から回答を得た。ワクチン接種前に前もって副反応に関する情報を得ていた人は220人(95.1%)であり,そのうちソーシャルネットワークサービス(SNS)から情報を得た人の割合は,男性よりも女性の方が有意に高かった(P<0.05)。ワクチン接種後の副反応出現率はすべての症状において1回目よりも2回目接種時に高く,2回目接種後では97.4%が何らかの症状を示していた。各症状の平均継続日数/症状の程度は,すべての症状において1回目よりも2回目接種時に長く/高くなった。2回目接種における各症状の継続日数・症状の程度を目的変数とした重回帰分析を実施したところ,各症状と性別,1回目接種時の症状,ペットの飼育,副反応に関する事前情報の有無に関連がみられた。また,2回目接種後に登校可能となった日数の調査では,接種後3日目で71.9%,4日目で89.6%に上昇していた。本研究では日本の大学生におけるmRNA-1273接種による副反応の,出現率,継続日数,重症度,接種後登校可能になるまでの日数を明らかにした。
ISSN:1343-2583
1881-2562
DOI:10.2743/jve.27.39