室温機械灌流保存法の現状と今後
近年, 機械灌流保存が冷却保存よりも有益であることが明らかになってきた. 冷温によって引き起こされる保存傷害は, 不十分な細胞代謝機能やエネルギー貯蔵の枯渇, 冷却による直接的な有害効果を引き起こす. 常温機械灌流法(NMP)は, 移植片機能の維持と回復, および生存率の評価に役立つ. しかし, 高レベルの酸素を必要とするため, 微小血管障害や細菌増殖のリスクを高める可能性のある血液製剤が使用される. それゆえ, 常温機械灌流法は依然として困難な問題である. 一方, 20°C-25°C付近の室温機械灌流法(SNMP)は, NMPに比べて必要な酸素レベルが低くなる. ここでは, SNMPの現状と...
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Published in | Organ Biology Vol. 29; no. 1; pp. 13 - 20 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
2022
日本臓器保存生物医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1340-5152 2188-0204 |
DOI | 10.11378/organbio.29.13 |
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Summary: | 近年, 機械灌流保存が冷却保存よりも有益であることが明らかになってきた. 冷温によって引き起こされる保存傷害は, 不十分な細胞代謝機能やエネルギー貯蔵の枯渇, 冷却による直接的な有害効果を引き起こす. 常温機械灌流法(NMP)は, 移植片機能の維持と回復, および生存率の評価に役立つ. しかし, 高レベルの酸素を必要とするため, 微小血管障害や細菌増殖のリスクを高める可能性のある血液製剤が使用される. それゆえ, 常温機械灌流法は依然として困難な問題である. 一方, 20°C-25°C付近の室温機械灌流法(SNMP)は, NMPに比べて必要な酸素レベルが低くなる. ここでは, SNMPの現状と将来について説明する. |
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ISSN: | 1340-5152 2188-0204 |
DOI: | 10.11378/organbio.29.13 |