血小板の持つ肝再生促進効果,肝線維化抑制効果,ならびに抗アポトーシス効果
血小板は生体内で循環する最小の細胞で, 大きさは2~3μmであり, 無核である. 血小板は骨髄の巨核球に由来し, 寿命は8~10日である. 寿命に到達した血小板は脾臓により血液中から除去される1). 血小板はα顆粒, 濃染顆粒, リソソーム顆粒の3種類の顆粒を含有し, それぞれの顆粒は成長因子をはじめとしてさまざまな生理活性物質を含有している1, 2)(図1). 血小板由来成長因子, 肝細胞成長因子(HGF), インスリン様成長因子1(IGF-1), 血管内皮成長因子(VEGF), セロトニン, トランスフォーミング成長因子-β(TGF-β), アデノシン3リン酸(ATP)やアデノシン2リン酸...
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Published in | Organ Biology Vol. 20; no. 1; pp. 19 - 28 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
10.01.2013
日本臓器保存生物医学会 |
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ISSN | 1340-5152 2188-0204 |
DOI | 10.11378/organbio.20.19 |
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Summary: | 血小板は生体内で循環する最小の細胞で, 大きさは2~3μmであり, 無核である. 血小板は骨髄の巨核球に由来し, 寿命は8~10日である. 寿命に到達した血小板は脾臓により血液中から除去される1). 血小板はα顆粒, 濃染顆粒, リソソーム顆粒の3種類の顆粒を含有し, それぞれの顆粒は成長因子をはじめとしてさまざまな生理活性物質を含有している1, 2)(図1). 血小板由来成長因子, 肝細胞成長因子(HGF), インスリン様成長因子1(IGF-1), 血管内皮成長因子(VEGF), セロトニン, トランスフォーミング成長因子-β(TGF-β), アデノシン3リン酸(ATP)やアデノシン2リン酸などがあげられる1, 2). 血小板はトロンビンなどによる生理的刺激や物理刺激により活性化すると, これらの生理活性物質を放出し, 周辺組織にさまざまな生理的作用を及ぼす1, 2). 血小板の主な働きは血管が障害を受けたときの止血作用である1). |
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ISSN: | 1340-5152 2188-0204 |
DOI: | 10.11378/organbio.20.19 |