携帯端末使用時における情報ストレスと脳機能活動影響性の評価
携帯端末は利便性が高いものの,睡眠障害や依存症などの精神面への影響が認められている.本研究では,携帯端末の操作による情報ストレス課題時の脳機能影響性を評価した.被験者は健常成人9名(平均年齢21.7±0.5歳)を対象とし,心理検査として日本語版GHQ精神健康調査票と日本語版気分プロフィール検査を用いた.実験は端末画面上に表示された標的を制限時間中にタッチパネル操作によって選択し続ける内容とし,標的の大きさと動作の有無により低,中,高難易度の3種類を用意した.生体信号評価には脳波,心電図,脈波を用い,サンプリング周波数500Hzで測定を行った.脳波解析には事象関連同期 (Event-relate...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S69 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual56.S69 |
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Summary: | 携帯端末は利便性が高いものの,睡眠障害や依存症などの精神面への影響が認められている.本研究では,携帯端末の操作による情報ストレス課題時の脳機能影響性を評価した.被験者は健常成人9名(平均年齢21.7±0.5歳)を対象とし,心理検査として日本語版GHQ精神健康調査票と日本語版気分プロフィール検査を用いた.実験は端末画面上に表示された標的を制限時間中にタッチパネル操作によって選択し続ける内容とし,標的の大きさと動作の有無により低,中,高難易度の3種類を用意した.生体信号評価には脳波,心電図,脈波を用い,サンプリング周波数500Hzで測定を行った.脳波解析には事象関連同期 (Event-related synchronization: ERS)と事象関連脱同期 (Event-related desychronization: ERD)を用い,θ波帯域(4-8Hz)とα波帯域(8-14Hz)を対象に評価した.結果,θ波帯域において,前頭領域は後頭領域と比較して,刺激提示から200-400 msで脳機能活動性が有意に高値を示し,課題の難易度には有意差は認められなかった.以上より,情報の複雑さに関わらず,健常者では携帯端末上に表示される情報を正確に把握するために前頭部の認知処理が働くと示唆された. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual56.S69 |