下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術後に深部静脈血栓症,肺塞栓症を併発した1例

●要  約:症例は51歳男性.右下腿内側の色素沈着,かゆみを認め当院受診した.下肢静脈超音波検査にて右大伏在静脈不全を認め,血管内レーザー焼灼術(endvenous laser ablation; EVLA)を施行した.術後2日目の超音波検査にてclass 2のendovenous heat-induced thrombus (EHIT)を認めたが,術後10日目の超音波検査では血栓の進展を認めず,弾性ストッキングにて保存的に経過観察していた.しかし,自己判断により術後1週目より弾性ストッキングの着用を中止していたところ,下腿の疼痛および腫脹が出現した.術後44日目に超音波検査にて右大腿静脈に充...

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Published in静脈学 Vol. 24; no. 3; pp. 339 - 343
Main Authors 栗原, 伸久, 光岡, 明人, 桜沢, 健一, 広川, 雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 2013
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ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.24.339

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Summary:●要  約:症例は51歳男性.右下腿内側の色素沈着,かゆみを認め当院受診した.下肢静脈超音波検査にて右大伏在静脈不全を認め,血管内レーザー焼灼術(endvenous laser ablation; EVLA)を施行した.術後2日目の超音波検査にてclass 2のendovenous heat-induced thrombus (EHIT)を認めたが,術後10日目の超音波検査では血栓の進展を認めず,弾性ストッキングにて保存的に経過観察していた.しかし,自己判断により術後1週目より弾性ストッキングの着用を中止していたところ,下腿の疼痛および腫脹が出現した.術後44日目に超音波検査にて右大腿静脈に充満する血栓を認め,深部静脈血栓症(DVT)と診断された.胸部CTにて肺塞栓症(PE)の合併が認められ,直ちに抗凝固療法を開始した.その後症状は軽快し退院,外来にて抗凝固療法を継続している.本症例は下肢静脈瘤に対するEVLA後にDVT,PEを合併した本邦で初めての報告である.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.24.339