放射線治療「粒子線」

重粒子線治療は,前立腺癌に対する放射線療法としては,理想的な治療法と考えられる.過去20年に及ぶ2000例を超える放医研での結果は,副作用の点でも,治療効果の点でも,重粒子線治療の有用性を明瞭に示すものである.さらに放医研では治療期間の短期化を推進して,効率の向上と同時にさらに良好な治療結果に結びつけることに成功している.今後は,さらに技術開発を推進して,より短期で安全な治療を実現する必要があると考えている.また,前立腺癌は重粒子線の特徴を生かした治療が実践できる対象疾患の一つであり,この治療の普及においても大きな役割を担うと考えられる.そうした観点からは重粒子線治療の有用性をより明確にするた...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 28; no. 2; pp. 220 - 223
Main Author 辻, 比呂志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 2015
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.28.220

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Summary:重粒子線治療は,前立腺癌に対する放射線療法としては,理想的な治療法と考えられる.過去20年に及ぶ2000例を超える放医研での結果は,副作用の点でも,治療効果の点でも,重粒子線治療の有用性を明瞭に示すものである.さらに放医研では治療期間の短期化を推進して,効率の向上と同時にさらに良好な治療結果に結びつけることに成功している.今後は,さらに技術開発を推進して,より短期で安全な治療を実現する必要があると考えている.また,前立腺癌は重粒子線の特徴を生かした治療が実践できる対象疾患の一つであり,この治療の普及においても大きな役割を担うと考えられる.そうした観点からは重粒子線治療の有用性をより明確にするために,国内重粒子線治療施設で設立されたJ-CROSという研究グループで多施設共同研究を行い,信頼性の高い結果を短期間で獲得することが必要と考えている.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.28.220