完全内臓逆位症に合併した腎癌の一例
症例は74歳男性.肺検診異常の精査にて,右腎腫瘍・多発肺転移を指摘され当科紹介受診.CT・MRIで,胸腹部の内臓が左右逆転しており,さらに右側腎臓上部に約8cm大の内部不均一な充実性腫瘤,肺には2,3cm大の結節影を認めた.以上より,完全内臓逆位症に合併した右腎癌・多発肺転移(cT2aN0M1 PUL)と診断し,腹腔鏡下根治的右腎摘除術を施行した.左側臥位で右肋骨弓下に3ポートを置き,経腹的アプローチで行った.術中所見として,内臓逆位に伴う手技の困難はあまり感じることはなかった.手術時間は4時間30分,出血量は100mlであった.完全内臓逆位症に合併した腎癌に対する腹腔鏡手術は,鏡面構造をよく...
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          | Published in | Japanese Journal of Endourology Vol. 27; no. 2; pp. 395 - 398 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本泌尿器内視鏡学会
    
        2014
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 2186-1889 2187-4700  | 
| DOI | 10.11302/jsejje.27.395 | 
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| Summary: | 症例は74歳男性.肺検診異常の精査にて,右腎腫瘍・多発肺転移を指摘され当科紹介受診.CT・MRIで,胸腹部の内臓が左右逆転しており,さらに右側腎臓上部に約8cm大の内部不均一な充実性腫瘤,肺には2,3cm大の結節影を認めた.以上より,完全内臓逆位症に合併した右腎癌・多発肺転移(cT2aN0M1 PUL)と診断し,腹腔鏡下根治的右腎摘除術を施行した.左側臥位で右肋骨弓下に3ポートを置き,経腹的アプローチで行った.術中所見として,内臓逆位に伴う手技の困難はあまり感じることはなかった.手術時間は4時間30分,出血量は100mlであった.完全内臓逆位症に合併した腎癌に対する腹腔鏡手術は,鏡面構造をよく理解した上で,十分なシミュレーションを行い執刀すれば操作に大きな困難はなく,安全かつ低侵襲に施行することができた. | 
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| ISSN: | 2186-1889 2187-4700  | 
| DOI: | 10.11302/jsejje.27.395 |