既存手袋が適合する手の三次元形状モデルの生成手法

手袋の形状を決定する手型の設計は技術者のノウハウと経験に依存しており,経験的に作製された手袋がどのような手の寸法特性を持つユーザに適合しているか確認する方法がなかった.そこで本研究では,手と手型との適合性の関係を探るため,手袋が適合する手の三次元形状モデルの生成手法の確立を目指した.まず,既存手袋のフィット感についての主観評価と手寸法計測を行い,手袋の総合的なフィット感に寄与する部位別のフィット感項目を抽出した.さらに,部位別のフィット感得点と同部位に関連した寸法値との回帰分析を行って,部位別フィット感をよく説明する手寸法項目をそれぞれ明らかにし,8項目の基本寸法値を求めた.日本人の手寸法デー...

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Published in人間工学 Vol. 49; no. 4; pp. 161 - 169
Main Authors 横山, 詔常, 橋本, 晃司, 佐々木, 憲吾, 打田, 澄雄, 持丸, 正明, 河内, まき子, 倉本, 丈久, 宮田, なつき
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 2013
日本人間工学会
Subjects
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.49.161

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Summary:手袋の形状を決定する手型の設計は技術者のノウハウと経験に依存しており,経験的に作製された手袋がどのような手の寸法特性を持つユーザに適合しているか確認する方法がなかった.そこで本研究では,手と手型との適合性の関係を探るため,手袋が適合する手の三次元形状モデルの生成手法の確立を目指した.まず,既存手袋のフィット感についての主観評価と手寸法計測を行い,手袋の総合的なフィット感に寄与する部位別のフィット感項目を抽出した.さらに,部位別のフィット感得点と同部位に関連した寸法値との回帰分析を行って,部位別フィット感をよく説明する手寸法項目をそれぞれ明らかにし,8項目の基本寸法値を求めた.日本人の手寸法データベースを参照することで,上記8項目から他の手寸法値を統計的に推定し,42項目の手寸法値を用いて既存手袋が適合する手の三次元形状モデルを生成することができ,手と手型形状の比較検証が可能となった.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.49.161