左冠動脈主幹部の急性心筋梗塞3症例の検討
左冠動脈主幹部病変による心筋梗塞は死亡率が高く,速やかな診断と血行再建術が必要である.1年間に3症例を経験したので報告する. 症例1:心原性ショックで来院.緊急冠動脈造影で左冠動脈主幹部閉塞を認めた.同部位に対して,薬剤溶出性ステントを留置して血行再建,第40病日に生存退院した. 症例2:心原性ショックで来院.緊急冠動脈造影で左冠動脈主幹部閉塞と右冠動脈の高度狭窄を認めた.急性期は,左冠動脈主幹部に薬剤溶出性ステントを留置して血行再建を行った.慢性期に右冠動脈の高度狭窄に薬剤溶出性ステントを留置して血行再建し,第77病日に生存退院した. 症例3:不安定狭心症で入院したが,入院直後に無脈性電気活...
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Published in | 心臓 Vol. 51; no. 3; pp. 307 - 313 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.03.2019
日本心臓財団・日本循環器学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.51.307 |
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Summary: | 左冠動脈主幹部病変による心筋梗塞は死亡率が高く,速やかな診断と血行再建術が必要である.1年間に3症例を経験したので報告する. 症例1:心原性ショックで来院.緊急冠動脈造影で左冠動脈主幹部閉塞を認めた.同部位に対して,薬剤溶出性ステントを留置して血行再建,第40病日に生存退院した. 症例2:心原性ショックで来院.緊急冠動脈造影で左冠動脈主幹部閉塞と右冠動脈の高度狭窄を認めた.急性期は,左冠動脈主幹部に薬剤溶出性ステントを留置して血行再建を行った.慢性期に右冠動脈の高度狭窄に薬剤溶出性ステントを留置して血行再建し,第77病日に生存退院した. 症例3:不安定狭心症で入院したが,入院直後に無脈性電気活動になり,直ちに心肺蘇生を開始した.蘇生後の心電図では広範囲にST上昇を認め,緊急冠動脈造影を行った.結果,左冠動脈主幹部に高度狭窄を認め,ベアメタルステントを留置したが,補助循環装置挿入部からの感染により敗血症となり,第28病日に死亡した. 左冠動脈主幹部による心筋梗塞の心電図所見,予後因子について文献的考察を加えて,報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.51.307 |