両側浅側頭動脈よりの超選択的動注法を用いた連日同時放射線化学療法を施行した舌背部扁平上皮癌の1例

舌癌のほとんどは舌側縁や舌下面に生じることが多く,舌背部に生じることは極めてまれである。われわれは両側浅側頭動脈よりの超選択的動注法を用いた連日同時放射線化学療法を施行した舌背扁平上皮癌の1例について報告する。 80歳の男性は左側舌背部の腫瘤を主訴に当科を受診した。腫瘤は有茎性で,その大きさは舌背の前方の硬結を含め49×30×12mmであった。生検後,病変は扁平上皮癌と診断された。頸部リンパ節転移は認めなかった。進行舌癌に対する再建術後の機能障害を避けるために,逆行性超選択的動注化学放射線療法を計画した。両側浅側頭動脈よりの超選択的動注法を用いた連日同時放射線量療法(ドセタキセル(10mg/m...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 23; no. 4; pp. 147 - 153
Main Authors 小栗, 千里, 藤内, 祝, 光藤, 健司, 岩井, 俊憲, 渡貫, 圭, 廣田, 誠, 光永, 幸代, 松井, 義郎, 大久保, 牧子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 2011
日本口腔腫瘍学会
Subjects
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.23.147

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Summary:舌癌のほとんどは舌側縁や舌下面に生じることが多く,舌背部に生じることは極めてまれである。われわれは両側浅側頭動脈よりの超選択的動注法を用いた連日同時放射線化学療法を施行した舌背扁平上皮癌の1例について報告する。 80歳の男性は左側舌背部の腫瘤を主訴に当科を受診した。腫瘤は有茎性で,その大きさは舌背の前方の硬結を含め49×30×12mmであった。生検後,病変は扁平上皮癌と診断された。頸部リンパ節転移は認めなかった。進行舌癌に対する再建術後の機能障害を避けるために,逆行性超選択的動注化学放射線療法を計画した。両側浅側頭動脈よりの超選択的動注法を用いた連日同時放射線量療法(ドセタキセル(10mg/m2/week,total 96mg/body),シスプラチン(5mg/m2/day,total 240mg/body),外照射(2Gy/日,計60Gy)を6週間施行した。現在治療後25か月が経過するが,再発・転移なく経過良好である。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.23.147