ウェットティッシュの取り出しやすさが製品の印象や製品選択に及ぼす影響

本研究の目的は,ウェットティッシュの取り出しやすさが,当該製品の印象や製品選択に及ぼす影響を検証することであった.実験参加者は,ウェットティッシュの取り出し性の高い製品および低い製品による清掃課題を行った.清掃の後,各製品の取り出しやすさ,拭き取りやすさ,使用の楽しさ等について評価した.また,もし再度同一の清掃課題をするならば,どちらの製品を使用したいと思うかに関しても回答した.実験の結果,取り出し性の低い製品に比べ,高い製品の方が,取り出し性が高く評価されるだけではなく,使用の楽しさも高く評価されることが示された.さらに,大半の参加者は,再度同一の清掃課題を実施する状況において,取り出し性の...

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Published in人間工学 Vol. 55; no. 4; pp. 145 - 154
Main Authors 宮崎, 由樹, 河原, 純一郎, 神山, 龍一, 三宅, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 15.08.2019
日本人間工学会
Subjects
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.55.145

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Summary:本研究の目的は,ウェットティッシュの取り出しやすさが,当該製品の印象や製品選択に及ぼす影響を検証することであった.実験参加者は,ウェットティッシュの取り出し性の高い製品および低い製品による清掃課題を行った.清掃の後,各製品の取り出しやすさ,拭き取りやすさ,使用の楽しさ等について評価した.また,もし再度同一の清掃課題をするならば,どちらの製品を使用したいと思うかに関しても回答した.実験の結果,取り出し性の低い製品に比べ,高い製品の方が,取り出し性が高く評価されるだけではなく,使用の楽しさも高く評価されることが示された.さらに,大半の参加者は,再度同一の清掃課題を実施する状況において,取り出し性の高い製品を使用することを選んだ.なお,両製品間の取り出し性の差を強く認識した参加者ほど,取り出し性の低い製品に比べて,取り出し性の高い製品の拭き取り性を高く評価した.これらの結果は,ウェットティッシュの取り出し性の上昇という触運動的な知覚的流暢性の高まりを,製品評価に帰属させたことに由来すると考えられる.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.55.145