心臓カテーテル検査後の上腕仮性動脈瘤破裂の1例

症例は90歳, 女性. 心不全の原因精査のため左上腕動脈より冠動脈造影を施行したが, 止血の際に皮下血腫が生じた. 冠動脈造影2日後に穿刺部に血管性雑音を聴取し, エコーにて仮性動脈瘤を確認した. 用手およびエコープローベを用いて圧迫したが疼痛増強のため十分な圧迫はできなかった. 疼痛およびそれによる肘の屈曲障害のため手術を予定したが, 手術前日 (冠動脈造影6日後) に瘤が破裂した. しかし, 仮性瘤破裂により新たに生じた血腫が, 上腕動脈と瘤との交通部を圧迫閉鎖したため自然止血され, 仮性動脈瘤が退縮・消失したと考えられた....

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Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 47; no. 3; pp. 390 - 394
Main Authors 斧田, 尚樹, 岩藤, 泰慶, 本条, 崇行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.390

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Summary:症例は90歳, 女性. 心不全の原因精査のため左上腕動脈より冠動脈造影を施行したが, 止血の際に皮下血腫が生じた. 冠動脈造影2日後に穿刺部に血管性雑音を聴取し, エコーにて仮性動脈瘤を確認した. 用手およびエコープローベを用いて圧迫したが疼痛増強のため十分な圧迫はできなかった. 疼痛およびそれによる肘の屈曲障害のため手術を予定したが, 手術前日 (冠動脈造影6日後) に瘤が破裂した. しかし, 仮性瘤破裂により新たに生じた血腫が, 上腕動脈と瘤との交通部を圧迫閉鎖したため自然止血され, 仮性動脈瘤が退縮・消失したと考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.390