急性心不全症例において,入院中のFibrosis-4 indexの変化は右房圧の変化と関係する

背景:Fibrosis-4(FIB4) indexは肝線維化を評価する指標で,年齢・血小板数・AST・ALTにより簡便に算出される.FIB4 indexは心不全症例における予後と関連するとの報告もある.本研究では,急性心不全入院中のFIB4 indexの推移,およびFIB4 indexの変化に関係する因子について検討した. 方法・結果:対象は,2011年3月から2019年2月の期間に急性心不全で当院に入院し,入院時と退院前に右心カテーテル検査を施行した31例.右心カテーテル施行日の2日以内の血液検査からFIB4 indexを算出した.入院時から退院前にかけて,FIB4 indexは有意に低下し...

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Published in心臓 Vol. 53; no. 3; pp. 259 - 264
Main Authors 川本, 健治, 櫻木, 悟, 飯田, 倫公, 片山, 祐介, 斎藤, 宇亮, 小出, 祐嗣, 田中屋, 真智子, 中島, 充貴, 山田, 隆史, 和田, 匡史, 河口, 達登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.03.2021
日本心臓財団・日本循環器学会
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.53.259

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Summary:背景:Fibrosis-4(FIB4) indexは肝線維化を評価する指標で,年齢・血小板数・AST・ALTにより簡便に算出される.FIB4 indexは心不全症例における予後と関連するとの報告もある.本研究では,急性心不全入院中のFIB4 indexの推移,およびFIB4 indexの変化に関係する因子について検討した. 方法・結果:対象は,2011年3月から2019年2月の期間に急性心不全で当院に入院し,入院時と退院前に右心カテーテル検査を施行した31例.右心カテーテル施行日の2日以内の血液検査からFIB4 indexを算出した.入院時から退院前にかけて,FIB4 indexは有意に低下した(2.79(1.83,4.74) to 2.46(1.40,4.21),p=0.012).単変量解析では,総ビリルビンの変化,NT-proBNP変化および右房圧変化がFIB4 index変化と関係していたが,多変量解析では,右房圧の変化がFIB4 indexの変化と有意に関係していた(β=0.027,CI:0.003 to 0.052,p=0.032). 結語:急性心不全において,経過中にFIB4 indexは低下した.FIB4 indexの変化には右房圧の変化が関係していた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.53.259