新規Haemophilus influenzaeスクリーニング培地の検討―ポアメディア®Viヘモフィルス寒天培地の有用性評価

今回,我々はHaemophilus influenzaeの新規スクリーニング培地であるポアメディア®Viヘモフィルス寒天培地(以下Vi)の性能評価を行った。喀痰,咽頭粘液などの呼吸器由来の臨床材料272検体を,チョコレート寒天培地またはバシトラシン添加チョコレート寒天培地とViに接種し,18~24時間,35℃ 5%炭酸ガス培養をした。培養後,各培地からH. influenzaeを疑うコロニーを分離し,MALDI Biotyperにて同定を行い,日常検査にて実施するH. influenzae検出法(以下従来法)と,Viを使用した検出法(以下Vi法)の2法のH. influenzae検出数,一致率...

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Published in医学検査 Vol. 68; no. 4; pp. 806 - 811
Main Authors 宮木, 祐輝, 西尾, 美津留
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2019
日本臨床衛生検査技師会
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.18-77

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Summary:今回,我々はHaemophilus influenzaeの新規スクリーニング培地であるポアメディア®Viヘモフィルス寒天培地(以下Vi)の性能評価を行った。喀痰,咽頭粘液などの呼吸器由来の臨床材料272検体を,チョコレート寒天培地またはバシトラシン添加チョコレート寒天培地とViに接種し,18~24時間,35℃ 5%炭酸ガス培養をした。培養後,各培地からH. influenzaeを疑うコロニーを分離し,MALDI Biotyperにて同定を行い,日常検査にて実施するH. influenzae検出法(以下従来法)と,Viを使用した検出法(以下Vi法)の2法のH. influenzae検出数,一致率について比較検討した。272検体からH. influenzaeを疑ったコロニーで,Haemophilus属菌とその近縁種は従来法では53株,Vi法では55株分離された。そのうちH. influenzaeはそれぞれ26株,31株であり,一致率は49.1%,56.4%であった。本検討ではViの使用によりH. influenzaeの検出数,一致率が従来法を上回る結果であった。さらに,Viでは溶血性が初代培養で確認できるため,確認試験の簡略化もでき,H. influenzaeの分離に非常に有用であると考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-77