妊娠母体の子宮頸管粘液中におけるマイコプラズマ・ホミニスの検討
【目的】マイコプラズマ・ホミニス(以下,MH)の妊娠母体への影響を評価する.【方法】2017年2月から2020年4月に単胎602妊娠に対し,子宮頸管粘液中のMH核酸を同定し,陽性率,母体背景,MHの有無と早産,早産期前期破水(以下,pPROM),絨毛膜羊膜炎(以下,CAM)との関連を検討した.【結果】陽性率は3.4%,母体背景ではMH(+)群で年齢中央値が低く,Bacterial Vaginosis(以下,BV)スコア≧4点が有意に多かった.妊娠帰結が判明している454妊娠について,MH(+)群で切迫早産症例を多く認めたが,MHの有無と早産,pPROM,CAMとの関連の有無を調べたが有意差を認...
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Published in | 日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 60; no. 2; pp. 229 - 233 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
2024
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Subjects | |
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ISSN | 1348-964X 2435-4996 |
DOI | 10.34456/jjspnm.60.2_229 |
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Summary: | 【目的】マイコプラズマ・ホミニス(以下,MH)の妊娠母体への影響を評価する.【方法】2017年2月から2020年4月に単胎602妊娠に対し,子宮頸管粘液中のMH核酸を同定し,陽性率,母体背景,MHの有無と早産,早産期前期破水(以下,pPROM),絨毛膜羊膜炎(以下,CAM)との関連を検討した.【結果】陽性率は3.4%,母体背景ではMH(+)群で年齢中央値が低く,Bacterial Vaginosis(以下,BV)スコア≧4点が有意に多かった.妊娠帰結が判明している454妊娠について,MH(+)群で切迫早産症例を多く認めたが,MHの有無と早産,pPROM,CAMとの関連の有無を調べたが有意差を認めなかった.【結語】MHの有無と早産,pPROM,CAMの間には関連を認めなかった.MH(+)群にBVスコア≧4点が多くみられ,MHと他細菌の混合感染によって周産期予後に影響を与えている可能性も考えられる.今後も症例を重ねて検討を進める必要がある. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.60.2_229 |