デュロキセチン投与後に抗利尿ホルモン不適合分泌症候群をきたした慢性腰痛症の1例
「緒言」抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion: SIADH)は, 抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone: ADH)のバソプレシン作用が過剰となることで腎集合管における自由水の再吸収が促進され, 低Na血症を生じる病態である. 臨床症状は脳浮腫や頭痛, 嘔気・嘔吐, 傾眠などの中枢神経症状を伴うことが多く, 適切な治療が行われない場合は死に至ることもある. SIADHの代表的な原因として, 薬剤性, 肺疾患, 悪性腫瘍が挙がる. 入院患者のうち, SIADHと診断された...
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Published in | 医療薬学 Vol. 50; no. 4; pp. 153 - 159 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.04.2024
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.50.153 |
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Summary: | 「緒言」抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion: SIADH)は, 抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone: ADH)のバソプレシン作用が過剰となることで腎集合管における自由水の再吸収が促進され, 低Na血症を生じる病態である. 臨床症状は脳浮腫や頭痛, 嘔気・嘔吐, 傾眠などの中枢神経症状を伴うことが多く, 適切な治療が行われない場合は死に至ることもある. SIADHの代表的な原因として, 薬剤性, 肺疾患, 悪性腫瘍が挙がる. 入院患者のうち, SIADHと診断された555例の原因を調査した先行研究では, 特発性15.9%, 薬剤性26.5%, 肺疾患12.3%, 中枢神経系疾患7.2%, 悪性腫瘍27.7%, 疼痛や嘔気由来10.4%と報告されている. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.50.153 |