カルボプラチン・エトポシド療法が奏効し長期生存が得られている胆嚢神経内分泌癌の1例

胆嚢神経内分泌癌(NEC)は非常に稀な疾患であり,予後不良と考えられている.今回我々は,胆嚢NECに対してカルボプラチン・エトポシド併用療法が奏効し長期生存が得られている症例を経験した.症例は50代,男性.健康診断で肝機能異常を指摘され,CTで胆嚢癌が疑われた.術前CTで肺転移とリンパ節転移が疑われたが,病理診断的意義も含め開腹胆嚢摘出術を施行された.胆嚢原発小細胞型NECの診断となり,治療目的に当院紹介となった.軽度腎機能障害のため,カルボプラチン・エトポシド併用療法を開始した.Grade4の好中球減少を認めたが,G-CSF製剤を併用し,6コース完遂した.6コース終了後造影CTにて肝転移・肺...

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Published in胆道 Vol. 38; no. 4; pp. 642 - 647
Main Authors 木積, 一浩, 池澤, 賢治, 上原, 宏之, 高田, 良司, 小松, 久晃, 和辻, 晃, 清木, 祐介, 占部, 真貴子, 長田, 盛典, 甲斐, 優吾, 大川, 和良, 山井, 琢陽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.10.2024
日本胆道学会
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.38.642

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Summary:胆嚢神経内分泌癌(NEC)は非常に稀な疾患であり,予後不良と考えられている.今回我々は,胆嚢NECに対してカルボプラチン・エトポシド併用療法が奏効し長期生存が得られている症例を経験した.症例は50代,男性.健康診断で肝機能異常を指摘され,CTで胆嚢癌が疑われた.術前CTで肺転移とリンパ節転移が疑われたが,病理診断的意義も含め開腹胆嚢摘出術を施行された.胆嚢原発小細胞型NECの診断となり,治療目的に当院紹介となった.軽度腎機能障害のため,カルボプラチン・エトポシド併用療法を開始した.Grade4の好中球減少を認めたが,G-CSF製剤を併用し,6コース完遂した.6コース終了後造影CTにて肝転移・肺転移・リンパ節転移は全て著明に縮小し,以後2年4カ月増悪を認めていない.カルボプラチン・エトポシド併用療法はシスプラチン投与が難しい症例でも安全に施行でき,有用な治療選択肢であると考えられる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.38.642