黄色肉芽腫性胆嚢炎の画像診断

症例は67歳の男性で, 背部痛および右季肋部痛を主訴に当院を受診した. 家族歴に特記すべきことはなく, 既往歴として十二指腸潰瘍, 高血圧, 高尿酸血症を認めた. 画像検査により総胆管内に結石を認め, 胆嚢壁の肥厚を確認した. 血液検査では肝胆道系酵素に異常はなかったが炎症反応の経度上昇あり, 総胆管結石による軽症急性胆管炎と診断した. 抗菌薬による治療にて胆管炎が改善したのちに, 総胆管結石に対し, ERCPによる総胆管結石除去を施行したのちに胆嚢壁肥厚の精査をすすめた. その後の血液検査でCA19-9が軽度上昇(46.6U/mL)していたため, 胆嚢癌も疑った. 腹部造影CT検査: 胆嚢壁...

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Published in胆道 Vol. 39; no. 2; pp. 263 - 268
Main Authors 林, 玲匡, 鈴木, 裕, 船越, 早織, 阪本, 良弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.05.2025
日本胆道学会
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.39.263

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Summary:症例は67歳の男性で, 背部痛および右季肋部痛を主訴に当院を受診した. 家族歴に特記すべきことはなく, 既往歴として十二指腸潰瘍, 高血圧, 高尿酸血症を認めた. 画像検査により総胆管内に結石を認め, 胆嚢壁の肥厚を確認した. 血液検査では肝胆道系酵素に異常はなかったが炎症反応の経度上昇あり, 総胆管結石による軽症急性胆管炎と診断した. 抗菌薬による治療にて胆管炎が改善したのちに, 総胆管結石に対し, ERCPによる総胆管結石除去を施行したのちに胆嚢壁肥厚の精査をすすめた. その後の血液検査でCA19-9が軽度上昇(46.6U/mL)していたため, 胆嚢癌も疑った. 腹部造影CT検査: 胆嚢壁は体底部で高度に肥厚しており, 徐々に造影効果を認めた. 胆嚢壁内には複数の低吸収域が認められ, 内腔には隆起性病変は認めなかった. また, 胆嚢壁の最内層には線状の造影効果が認められ, 壁内の低吸収域に接する部分では断裂して観察された.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.39.263