感染から治癒過程を表現する「感染症数理疫学」と吸収から消失過程を表現する「薬物動態学」の類似点と相違点

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は我が国だけでなく世界の社会事情を一変した. とりわけ医療のひっ迫は切実である. 医師や看護師はもちろんのこと, COVID-19対策の最前線にいる薬剤師なども疲弊していると報道されている. ワクチンや治療薬が開発されるまでの感染拡大を防ぐ方法としては, 百年前の感染症対策とさほど変わらず, 手洗い・うがいや消毒の励行, マスクの着用, 外出を控え人との接触回避, また, 人と会う場合でも人と人との距離(social distanceまたはphysical distance)の設定などと極めて基本的なものしかない. 著者らを含む薬学関係者がCOVID...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in薬剤学 Vol. 80; no. 6; pp. 322 - 329
Main Authors 藤堂, 浩明, 押坂, 勇志, 武井, 千弥, 高山, 幸三, 杉林, 堅次, 森, 健二, 板倉, 祥子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬剤学会 2020
日本薬剤学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0372-7629
2188-3149
DOI10.14843/jpstj.80.322

Cover

More Information
Summary:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は我が国だけでなく世界の社会事情を一変した. とりわけ医療のひっ迫は切実である. 医師や看護師はもちろんのこと, COVID-19対策の最前線にいる薬剤師なども疲弊していると報道されている. ワクチンや治療薬が開発されるまでの感染拡大を防ぐ方法としては, 百年前の感染症対策とさほど変わらず, 手洗い・うがいや消毒の励行, マスクの着用, 外出を控え人との接触回避, また, 人と会う場合でも人と人との距離(social distanceまたはphysical distance)の設定などと極めて基本的なものしかない. 著者らを含む薬学関係者がCOVID-19などの感染症対策に寄与する手段は, 薬剤師として最前線に立つか, ワクチンや治療薬の研究・開発に寄与することが考えられるが, 薬物動態学の解析手法を使うことによっても社会に還元する方法があると考え, 本論文を作成した.
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.80.322