膵頭十二指腸切除術後の経管栄養の意義についての検討

膵頭十二指腸切除術 (PD)は, 消化器手術において最も侵襲の大きい手術の1つである. PD後における経管栄養の臨床的意義については, いまだに明らかになっておらず, 本検討では経管栄養の栄養状態における影響について解析を行った.  当施設でPDを施行した129例を対象として, 経管栄養施行群 (EN群) 97例と非施行群 (非EN群) 32例において, 術後の栄養摂取状況, CONUTによる栄養状態を後ろ向きに検討した.  年齢, 性別, BMI, 手術時間, 出血量, および術後合併症, 術後在院日数に有意な差は認めなかった. 退院時の栄養状態および術前後の栄養状態の変化については, やや...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 58; no. 6; pp. 210 - 215
Main Authors 吉町, 信吾, 海野, 倫明, 中川, 圭, 伊関, 雅裕, 林, 秀一郎, 志村, 充広, 青木, 修一, 水間, 正道, 三浦, 孝之, 前田, 晋平, 石田, 晶玄, 亀井, 尚, 日下, 彬子, 佐藤, 英昭, 堂地, 大輔, 野口, 彩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 15.12.2024
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.58.6_210

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Summary:膵頭十二指腸切除術 (PD)は, 消化器手術において最も侵襲の大きい手術の1つである. PD後における経管栄養の臨床的意義については, いまだに明らかになっておらず, 本検討では経管栄養の栄養状態における影響について解析を行った.  当施設でPDを施行した129例を対象として, 経管栄養施行群 (EN群) 97例と非施行群 (非EN群) 32例において, 術後の栄養摂取状況, CONUTによる栄養状態を後ろ向きに検討した.  年齢, 性別, BMI, 手術時間, 出血量, および術後合併症, 術後在院日数に有意な差は認めなかった. 退院時の栄養状態および術前後の栄養状態の変化については, ややEN群が良好な傾向を認めたが, 有意ではなかった.  経口摂取エネルギーは非EN群が有意に多かったが, 全摂取エネルギーはEN群が多い傾向を認めた.  本検討の結果から, PD後の経管栄養が, 術後の栄養状態・栄養摂取量において有効な所見は認められなかった.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.58.6_210