腸瘻口側腸管排液の肛門側腸管への自動持続注入システム

小腸瘻患者に対し栄養素吸収効率の増加, 肛門側腸管の廃用性萎縮の防止, 肝機能障害の回避などの点から, 腸瘻口側腸管排液を回収し肛門側腸管へ注入する管理の有用性が指摘されている. しかしながら再還流を行うためには手間がかかることが問題点の一つとなっている. 今回われわれは, 腸瘻口側腸管排液を肛門側腸管に自動的に持続注入するシステムを考案し, 乳児から年長児の4例に応用することができたので報告する.  本システムの概要は以下である. ストーマパウチからチューブを通してボトルに腸液を回収し, 肛門側腸管にはバルーンカテーテルなどを挿入しておく. ボトルの下部にチューブを接続し注入用ポンプを使用し...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 54; no. 4; pp. 201 - 205
Main Authors 神保, 教広, 千葉, 史子, 佐々木, 理人, 根本, 悠里, 増本, 幸二, 川見, 明央, 新開, 統子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 2020
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.54.4_201

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Summary:小腸瘻患者に対し栄養素吸収効率の増加, 肛門側腸管の廃用性萎縮の防止, 肝機能障害の回避などの点から, 腸瘻口側腸管排液を回収し肛門側腸管へ注入する管理の有用性が指摘されている. しかしながら再還流を行うためには手間がかかることが問題点の一つとなっている. 今回われわれは, 腸瘻口側腸管排液を肛門側腸管に自動的に持続注入するシステムを考案し, 乳児から年長児の4例に応用することができたので報告する.  本システムの概要は以下である. ストーマパウチからチューブを通してボトルに腸液を回収し, 肛門側腸管にはバルーンカテーテルなどを挿入しておく. ボトルの下部にチューブを接続し注入用ポンプを使用して肛門側腸管に腸液排液の自動注入を行う. 高位空腸の場合には三方活栓を用いて栄養剤の同時注入も可能である.  本システムは管理が簡便かつ安定した持続注入が可能で, 腸瘻排液の注入管理において非常に有用であると考えられた.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.54.4_201