肝尾状葉膿瘍に対してEUS下での穿刺吸引が有効であった1例
「はじめに」肝膿瘍治療は抗菌薬治療に加え, 膿瘍ドレナージが有効とされている. ドレナージは, 経皮的穿刺が第一選択とされているが, 膿瘍の位置や穿刺経路の介在臓器などにより穿刺困難な状況がしばしば存在する. 今回, 経皮的穿刺が困難であった尾状葉の膿瘍に対してEUSでの経胃的穿刺が有効であった一例を報告する. 「症例」患者: 70代 男性 主訴: 右季肋部痛, 体動困難 既往歴: アルツハイマー型認知症 現病歴: 右季肋部痛と体動困難で前医を受診し, 血液検査, 腹部単純CTで胆嚢炎が疑われ, 精査加療目的に当院に転院搬送となった. 身体所見: 意識清明, 体温38.8℃, 脈拍数93/mi...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 104; no. 1; pp. 120 - 122 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
21.06.2024
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.104.1_120 |
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Summary: | 「はじめに」肝膿瘍治療は抗菌薬治療に加え, 膿瘍ドレナージが有効とされている. ドレナージは, 経皮的穿刺が第一選択とされているが, 膿瘍の位置や穿刺経路の介在臓器などにより穿刺困難な状況がしばしば存在する. 今回, 経皮的穿刺が困難であった尾状葉の膿瘍に対してEUSでの経胃的穿刺が有効であった一例を報告する. 「症例」患者: 70代 男性 主訴: 右季肋部痛, 体動困難 既往歴: アルツハイマー型認知症 現病歴: 右季肋部痛と体動困難で前医を受診し, 血液検査, 腹部単純CTで胆嚢炎が疑われ, 精査加療目的に当院に転院搬送となった. 身体所見: 意識清明, 体温38.8℃, 脈拍数93/min 整, 血圧126/84mmHg, 腹部は平坦で軟, 自発痛や圧痛はなく, Murphy徴候を認めなかった. 血液検査: 白血球14,500/μL, CRP 24.7mg/dL, 直接ビリルビン1.8mg/dL. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.104.1_120 |