胆道癌薬物療法 免疫チェックポイント阻害薬

2014年に抗PD-1抗体薬のニボルマブが悪性黒色腫に承認されて以降,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の臨床開発が急速に進み,がん薬物療法の標準治療がICIベースのレジメンに次々と塗り替えられている.胆道癌においても2つの国際共同第III相試験(TOPAZ-1とKEYNOTE-966試験)で従来の標準治療であるゲムシタビン+シスプラチン(GC)にICIを併用することの有用性が示され,GC+ICIが新たな標準治療として確立された.一方,ICIの投与に際しては免疫関連有害事象(irAE)のマネジメントが求められる.第III相臨床試験で報告されているグレード3以上のirAEの頻度は2~7%程度と...

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Published in胆道 Vol. 39; no. 2; pp. 159 - 163
Main Author 金井, 雅史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.05.2025
日本胆道学会
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.39.159

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Summary:2014年に抗PD-1抗体薬のニボルマブが悪性黒色腫に承認されて以降,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の臨床開発が急速に進み,がん薬物療法の標準治療がICIベースのレジメンに次々と塗り替えられている.胆道癌においても2つの国際共同第III相試験(TOPAZ-1とKEYNOTE-966試験)で従来の標準治療であるゲムシタビン+シスプラチン(GC)にICIを併用することの有用性が示され,GC+ICIが新たな標準治療として確立された.一方,ICIの投与に際しては免疫関連有害事象(irAE)のマネジメントが求められる.第III相臨床試験で報告されているグレード3以上のirAEの頻度は2~7%程度と高くない.しかし実地臨床においてirAEに遭遇する頻度はこれより高くなることが予想され,ICI投与中の患者の有害事象にはirAEを想定した対応が求められる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.39.159