術後10年目に再発し気管支鏡で原発性肺癌と鑑別した腎盂癌肺転移の1例

背景.腎盂尿管癌は初診時に約70%が浸潤癌であり標準治療として腎尿管全摘術・膀胱部分切除術が選択される.再発症例の多くは10~12か月で再発し,術後3年以上経過し,再発した報告はほとんどない.症例.78歳の女性は左腎盂癌に対する左腎尿管全摘術が施行され(pT2N0M0,stage II)当院泌尿器科通院中であった.再発なく経過していたが,術後10年目の胸部CTで右上葉に18 mm大の辺縁不整な結節影を指摘され,呼吸器内科を受診した.原発性肺癌を疑い気管支鏡検査を行ったところ,腎盂癌の肺転移と診断された.結論.術後10年の経過で再発した腎盂癌肺転移の症例を気管支鏡検査で診断した.悪性腫瘍の既往が...

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Published in気管支学 Vol. 46; no. 5; pp. 282 - 287
Main Authors 迎, 寛, 竹本, 真之輔, 林, 徳真吉, 入舩, 理, 福田, 実, 谷口, 寛和, 菅崎, 七枝, 行徳, 宏, 平島, 定, 木下, 明敏, 松尾, 緑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.09.2024
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.46.5_282

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Summary:背景.腎盂尿管癌は初診時に約70%が浸潤癌であり標準治療として腎尿管全摘術・膀胱部分切除術が選択される.再発症例の多くは10~12か月で再発し,術後3年以上経過し,再発した報告はほとんどない.症例.78歳の女性は左腎盂癌に対する左腎尿管全摘術が施行され(pT2N0M0,stage II)当院泌尿器科通院中であった.再発なく経過していたが,術後10年目の胸部CTで右上葉に18 mm大の辺縁不整な結節影を指摘され,呼吸器内科を受診した.原発性肺癌を疑い気管支鏡検査を行ったところ,腎盂癌の肺転移と診断された.結論.術後10年の経過で再発した腎盂癌肺転移の症例を気管支鏡検査で診断した.悪性腫瘍の既往がある症例に発生した肺結節影は,長期間経過していても,転移性肺腫瘍である可能性を念頭におく必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.46.5_282