超音波内視鏡が術前診断に有用であった胆嚢捻転症の1例
「I 緒言」胆嚢捻転症は遊走胆嚢を先天的素因とし, 胆嚢頚部や胆嚢管を軸に捻転する稀な疾患である. 胆嚢捻転症の診断に超音波内視鏡(以下EUS)による詳細な観察が有用であった症例を経験したので報告する. 「II 症例」症例: 70歳代, 女性. 主訴: 心窩部痛. 現病歴: 心窩部痛を認め, 改善乏しかったため, 当院に救急搬送となった. 入院時現症: 体温36.5℃, 腹部は平坦で軟, 心窩部に圧痛あり, 反跳痛はなく, Murphy徴候は認めなかった. 入院時血液検査: 肝胆道系酵素の上昇や炎症反応の上昇は認めなかった. 腹部単純CT: 胆嚢は腫大し, 胆嚢壁の全周性肥厚, 周囲に腹水を認...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 103; no. 1; pp. 144 - 146 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
22.12.2023
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.103.1_144 |
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Summary: | 「I 緒言」胆嚢捻転症は遊走胆嚢を先天的素因とし, 胆嚢頚部や胆嚢管を軸に捻転する稀な疾患である. 胆嚢捻転症の診断に超音波内視鏡(以下EUS)による詳細な観察が有用であった症例を経験したので報告する. 「II 症例」症例: 70歳代, 女性. 主訴: 心窩部痛. 現病歴: 心窩部痛を認め, 改善乏しかったため, 当院に救急搬送となった. 入院時現症: 体温36.5℃, 腹部は平坦で軟, 心窩部に圧痛あり, 反跳痛はなく, Murphy徴候は認めなかった. 入院時血液検査: 肝胆道系酵素の上昇や炎症反応の上昇は認めなかった. 腹部単純CT: 胆嚢は腫大し, 胆嚢壁の全周性肥厚, 周囲に腹水を認めた. 入院経過: 身体所見およびCT所見から急性胆嚢炎と考え, 絶食, 補液, 抗菌薬で治療を開始した. 第2病日で腹痛の改善乏しかったため, 追加で検査を行った. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.103.1_144 |