成人型大動脈縮窄症の1治験例

68歳男性の大動脈縮窄症に対し,下行大動脈人工血管置換術を施行した症例を経験した.高血圧症の治療歴があり,胸部大動脈瘤の精査を契機に大動脈縮窄症を指摘され当科に紹介された.自覚症状はなく,高血圧症に対して投薬されているほかは特記すべき既往歴はなかった.大動脈縮窄症以外の心血管系先天異常として左上大静脈遺残を認めた.左開胸,部分体外循環下に縮窄部と大動脈瘤を切除し,下行大動脈人工血管置換術を施行した.術後経過は安定しており,合併症なく退院した.術後は降圧薬を減量できている.60歳台の大動脈縮窄症は稀であり,治療経過を報告する....

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Published in心臓 Vol. 55; no. 1; pp. 58 - 62
Main Authors 堀部, 達也, 高木, 淳, 吉永, 隆, 福井, 寿啓, 岡本, 健, 中田, 浩介, 西川, 幸作, 沼口, 亮介, 日高, 秀昭, 森山, 周二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.01.2023
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.55.58

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Summary:68歳男性の大動脈縮窄症に対し,下行大動脈人工血管置換術を施行した症例を経験した.高血圧症の治療歴があり,胸部大動脈瘤の精査を契機に大動脈縮窄症を指摘され当科に紹介された.自覚症状はなく,高血圧症に対して投薬されているほかは特記すべき既往歴はなかった.大動脈縮窄症以外の心血管系先天異常として左上大静脈遺残を認めた.左開胸,部分体外循環下に縮窄部と大動脈瘤を切除し,下行大動脈人工血管置換術を施行した.術後経過は安定しており,合併症なく退院した.術後は降圧薬を減量できている.60歳台の大動脈縮窄症は稀であり,治療経過を報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.55.58