食道外科における運動療法

生体が手術侵襲で受けたダメージから,より早い回復を目指すことは,術後管理の最大の目標である.術後のより早期に回復を目指す体系的なプログラムにEnhanced Recovery after Surgery(ERAS®)という概念がある.このなかで早期離床を軸とした運動療法は重要な役割を担う.高度侵襲手術の1つに分類される食道癌の運動療法においても,早期離床が重要となる.  胸部食道癌手術の運動療法を早期に施行することは,従来困難と考えられていた.多職種チーム医療による周術期管理により術後第1病日から離床が施行されるようになりその安全性と効果も報告されるようになってきた.しかしながら入院中だけの介...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 52; no. 6; pp. 289 - 293
Main Authors 桜本, 信一, 山口, 茂樹, 牧田, 茂, 宮脇, 豊, 小山, 勇, 佐藤, 弘, 岡本, 光順, 藤原, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 15.12.2018
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.52.6_289

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Summary:生体が手術侵襲で受けたダメージから,より早い回復を目指すことは,術後管理の最大の目標である.術後のより早期に回復を目指す体系的なプログラムにEnhanced Recovery after Surgery(ERAS®)という概念がある.このなかで早期離床を軸とした運動療法は重要な役割を担う.高度侵襲手術の1つに分類される食道癌の運動療法においても,早期離床が重要となる.  胸部食道癌手術の運動療法を早期に施行することは,従来困難と考えられていた.多職種チーム医療による周術期管理により術後第1病日から離床が施行されるようになりその安全性と効果も報告されるようになってきた.しかしながら入院中だけの介入では不十分であり,外来リハビリテーションの確立が急務である.食道癌の運動療法の実際と課題を概説する.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.52.6_289