WEBアンケート調査から見る外科医のアルブミンに対する認識と術後の栄養管理の現状

周術期の栄養状態はアウトカムに影響を及ぼす重要な因子であるが, 術後の栄養管理についてその実態などを明らかにした報告は少ない. また, アルブミンはその血清値の意義や周術期における代謝に関して新たな知見が報告されており, 改めて正しい情報を理解する必要がある. そこで, 外科医を対象にWEBアンケートを行い, 現時点における周術期のアルブミン動態に対する認識と術後栄養管理の実態を調査した. その結果, 周術期のアルブミン動態については正しく認識されているとは言い難い状況であった. 術後栄養管理に関しては, ガイドラインの推奨に見合ったエネルギー, 蛋白質が投与されていないケースも多く, 特に蛋...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 55; no. 3; pp. 141 - 150
Main Authors 福島, 亮治, 深柄, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 2021
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.55.3_141

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Summary:周術期の栄養状態はアウトカムに影響を及ぼす重要な因子であるが, 術後の栄養管理についてその実態などを明らかにした報告は少ない. また, アルブミンはその血清値の意義や周術期における代謝に関して新たな知見が報告されており, 改めて正しい情報を理解する必要がある. そこで, 外科医を対象にWEBアンケートを行い, 現時点における周術期のアルブミン動態に対する認識と術後栄養管理の実態を調査した. その結果, 周術期のアルブミン動態については正しく認識されているとは言い難い状況であった. 術後栄養管理に関しては, ガイドラインの推奨に見合ったエネルギー, 蛋白質が投与されていないケースも多く, 特に蛋白質に関しては投与量が把握されていないことも多かった. 本研究を通じて, 外科医のアルブミンに対する認識と術後の栄養管理の実態を把握することができた. 今後は正しい知識を啓発するとともに適切な栄養管理をさらに普及させていく必要がある.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.55.3_141