高齢者の腰背部痛と身体,生活および生活の質との関連

目的:高齢者の腰背部痛と,身体的状態,ADL遂行能力,生活満足度との関連を調査した.対象:東北農村部O町の65歳以上の高齢者78名を対象とした.方法:腰背部痛の程度により3群に分けて群間比較を行った.統計解析はSPSSを用いた.測定項目:年齢,身長,体重,膝痛の有無,立位胸椎,腰椎側面レントゲン像による胸椎後彎角,腰椎前彎角,腰仙角,胸腰椎圧迫骨折椎体数,胸腰椎椎間腔狭小化数,骨塩量(踵骨乾式超音波骨評価装置,アロカ社AOS-100による音響的骨評価値にて測定)とアンケートによるADL,QOL調査とした.結果:腰背部痛と関連のあった因子は,年齢,膝痛の有無,骨塩量,圧迫骨折椎体数,腰椎前弯角,...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 65 - 72
Main Authors 大井, 直往, 白木原, 憲明, 漆山, 裕希, 岩谷, 力, 吉田, 一成, 飛松, 好子, 近藤, 健男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2001
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.7.65

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Summary:目的:高齢者の腰背部痛と,身体的状態,ADL遂行能力,生活満足度との関連を調査した.対象:東北農村部O町の65歳以上の高齢者78名を対象とした.方法:腰背部痛の程度により3群に分けて群間比較を行った.統計解析はSPSSを用いた.測定項目:年齢,身長,体重,膝痛の有無,立位胸椎,腰椎側面レントゲン像による胸椎後彎角,腰椎前彎角,腰仙角,胸腰椎圧迫骨折椎体数,胸腰椎椎間腔狭小化数,骨塩量(踵骨乾式超音波骨評価装置,アロカ社AOS-100による音響的骨評価値にて測定)とアンケートによるADL,QOL調査とした.結果:腰背部痛と関連のあった因子は,年齢,膝痛の有無,骨塩量,圧迫骨折椎体数,腰椎前弯角,腰仙角,ADL(体力,歩行能力,社会参加),QOL(人の役に立つ)であった.考察:高齢者の腰背部痛は,加齢,膝痛,骨粗鬆症による脊柱変形と関連し,さらに,体力の低下,歩行能力の低下,社会参加の制限と「役に立たない」という自己評価の低下と関連があった.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.7.65