大腿送血カニューレ先端形状が送血側下肢灌流に与える影響に関する検討

【目的】我々は低侵襲心臓手術(minimally invasive cardiac surgery:MICS)における大腿動脈(femoral artery:FA)送血時の下肢虚血予防として下肢灌流管理を近赤外線分光法(near-infrared spectroscopy:NIRS)により、局所酸素飽和度(regional oxygen saturation:rSO2)をモニタリングすることによって行っている。本研究では送血カニューレ先端形状が下肢灌流に与える影響を検討した。【方法】2014年4月から2017年9月までに大腿動脈送血によるMICSを施行した106例を対象とし、側孔の多い非先端強...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in体外循環技術 Vol. 47; no. 1; pp. 22 - 27
Main Authors 田端, 実, 幸崎, 奈緒, 初鹿野, 夏気, 松坂, 裕子, 長嶋, 耕平, 下司, 映一, 高橋, 裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2020
日本体外循環技術医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/jject.47.22

Cover

More Information
Summary:【目的】我々は低侵襲心臓手術(minimally invasive cardiac surgery:MICS)における大腿動脈(femoral artery:FA)送血時の下肢虚血予防として下肢灌流管理を近赤外線分光法(near-infrared spectroscopy:NIRS)により、局所酸素飽和度(regional oxygen saturation:rSO2)をモニタリングすることによって行っている。本研究では送血カニューレ先端形状が下肢灌流に与える影響を検討した。【方法】2014年4月から2017年9月までに大腿動脈送血によるMICSを施行した106例を対象とし、側孔の多い非先端強化型カニューレC群と側孔の少ない先端強化型カニューレN群を後方視的に比較した。交絡因子の調整にはpropensity score matchingを行った。【結果】N群でrSO2値25%以上低下する割合が有意に低率(60.0% vs 15.6%;p=0.003)であった。その他の因子に有意差を認めなかった。【結論】従来の下肢虚血予防に加え、先端強化型カニューレを使用することで、下肢虚血合併症を軽減できる可能性が示唆された。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.47.22