胸骨上方部分切開でアプローチした右鎖骨下動脈瘤の1手術例

要  旨:症例は71歳男性.右総頸動脈分岐より約12 mm末梢に34×39 mmの右鎖骨下動脈瘤を認め,当科紹介となった.第2肋間で逆L字型に胸骨部分切開を行い,鎖骨上縁に皮膚切開を延長した.右総頸動脈と鎖骨下動脈瘤の間で中枢遮断を行い,右腋窩動脈第1部分で末梢側を遮断した.動脈瘤を切開し,内腔から椎骨動脈のバックフローを確認した.術前の頭部MRA検査で,左右椎骨動脈の交通を確認しており,右椎骨動脈は動脈瘤の外側より遮断した.ePTFE人工血管(径7 mm)で瘤を置換し,右椎骨動脈は人工血管に端側吻合し再建した.病理所見は動脈硬化性の真性瘤であった.胸郭内鎖骨下動脈瘤に対する胸骨上方部分切開に...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 21; no. 6; pp. 749 - 751
Main Authors 内藤, 光三, 村山, 順一, 田中, 秀弥, 樗木, 等
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 25.10.2012
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.21.749

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Summary:要  旨:症例は71歳男性.右総頸動脈分岐より約12 mm末梢に34×39 mmの右鎖骨下動脈瘤を認め,当科紹介となった.第2肋間で逆L字型に胸骨部分切開を行い,鎖骨上縁に皮膚切開を延長した.右総頸動脈と鎖骨下動脈瘤の間で中枢遮断を行い,右腋窩動脈第1部分で末梢側を遮断した.動脈瘤を切開し,内腔から椎骨動脈のバックフローを確認した.術前の頭部MRA検査で,左右椎骨動脈の交通を確認しており,右椎骨動脈は動脈瘤の外側より遮断した.ePTFE人工血管(径7 mm)で瘤を置換し,右椎骨動脈は人工血管に端側吻合し再建した.病理所見は動脈硬化性の真性瘤であった.胸郭内鎖骨下動脈瘤に対する胸骨上方部分切開によるアプローチは鎖骨を離断することなく良好な視野を得ることができ,極めて有用であった.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21.749