顎矯正手術後に気管軟化症が原因となり気道閉塞をきたした1例
「緒言」顎矯正手術の周術期における併発症のうち生命を脅かす重大なものとして気道閉塞がある. 術後の出血や腫脹に伴うことがほとんどであるが, 先天および後天的な気道の形態異常により発症することもありうる. 今回, 私たちは両側性唇顎口蓋裂を伴った両側性の第一第二鰓弓症候群の患者に顎矯正手術を施行したところ, 気道の形態異常が原因と思われる気道閉塞をきたした症例を経験したのでその概要を報告する. 「症例」「患者」: 26歳 男性「主訴」: 噛み合せが悪い「家族歴」: 特記事項なし「既往歴」: 両側性唇顎口蓋裂を伴う両側性の第一第二鰓弓症候群のため, 他院で幼児期, 小児期に口唇形成術, 口蓋形成術...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 24; no. 3; pp. 280 - 284 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
15.08.2014
日本顎変形症学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
DOI | 10.5927/jjjd.24.280 |
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Summary: | 「緒言」顎矯正手術の周術期における併発症のうち生命を脅かす重大なものとして気道閉塞がある. 術後の出血や腫脹に伴うことがほとんどであるが, 先天および後天的な気道の形態異常により発症することもありうる. 今回, 私たちは両側性唇顎口蓋裂を伴った両側性の第一第二鰓弓症候群の患者に顎矯正手術を施行したところ, 気道の形態異常が原因と思われる気道閉塞をきたした症例を経験したのでその概要を報告する. 「症例」「患者」: 26歳 男性「主訴」: 噛み合せが悪い「家族歴」: 特記事項なし「既往歴」: 両側性唇顎口蓋裂を伴う両側性の第一第二鰓弓症候群のため, 他院で幼児期, 小児期に口唇形成術, 口蓋形成術, 耳介形成術, 口蓋瘻孔閉鎖術が施行されていた. 「現症」: 「全身所見」; 身長165cm 体重64kg, 栄養状態は良好であった. 「顔貌および口腔内所見」; 顔貌は比較的対称性を保っていたが, 下顎が前突し, 前歯部の開咬とオトガイの左方偏位による著しい交叉咬合を呈していた. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd.24.280 |