認知症疾患修飾薬に関する意識と実態に関する神経治療学会会員調査

「はじめに」2023年9月, Alzheimer病(Alzheimer disease: AD)の疾患修飾薬(disease modifying therapy: DMT)としてはわが国初となるlecanemabが承認された. Lecanemabはアミロイドβ(amyloid β: Aβ)を特異的に認識する抗体であり, とくにAβの可溶性重合体であるプロトフィブリルに親和性が高い. ADのDMTに関しては, 1999年 Schenk らがアミロイドワクチン療法に関する動物実験の結果を報告し, Aβに対する抗体療法への扉を開いた. 以後, 20年以上の紆余曲折を経てADの疾患修飾療法がわが国発の...

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Published in神経治療学 Vol. 41; no. 3; pp. 206 - 212
Main Author 冨本, 秀和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2024
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ISSN0916-8443
2189-7824
DOI10.15082/jsnt.41.3_206

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Summary:「はじめに」2023年9月, Alzheimer病(Alzheimer disease: AD)の疾患修飾薬(disease modifying therapy: DMT)としてはわが国初となるlecanemabが承認された. Lecanemabはアミロイドβ(amyloid β: Aβ)を特異的に認識する抗体であり, とくにAβの可溶性重合体であるプロトフィブリルに親和性が高い. ADのDMTに関しては, 1999年 Schenk らがアミロイドワクチン療法に関する動物実験の結果を報告し, Aβに対する抗体療法への扉を開いた. 以後, 20年以上の紆余曲折を経てADの疾患修飾療法がわが国発のイノベーションとして発出したのは大変喜ばしいことである. 当初, マウスにAβをフロイントアジュバントとともに末梢投与して, 脳内Aβが消失するという結果は画期的で, 近未来におけるDMTの社会実装を予感させるものであった.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.41.3_206