肺がん検診の考え方

適切な肺がん検診を普及させるには、対策型検診と任意型検診との違いを医療者側も受診者側も認識することが必要である。現行の胸部写真による肺がん検診は、肺癌による死亡率低減に相応のエビデンスがあり、肺癌診療ガイドラインで精度管理水準を遵守した胸部写真による検診が推奨されている。低線量CTによる肺がん検診は、米国の大規模比較試験(NLST研究)でその有効性が検証されたが、対策型検診への導入は時期尚早である。今後の低線量CT肺がん検診は、高リスク群の選別、適切な検診間隔、鑑別診断、確定診断、精度管理などの課題解決が必要である。本邦で低線量CT検診の認定医師・認定技師の資格制度が運用されている。現行の胸部...

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Published in総合健診 Vol. 41; no. 2; pp. 300 - 302
Main Author 江口, 研二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合健診医学会 2014
日本総合健診医学会
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ISSN1347-0086
1884-4103
DOI10.7143/jhep.41.300

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Summary:適切な肺がん検診を普及させるには、対策型検診と任意型検診との違いを医療者側も受診者側も認識することが必要である。現行の胸部写真による肺がん検診は、肺癌による死亡率低減に相応のエビデンスがあり、肺癌診療ガイドラインで精度管理水準を遵守した胸部写真による検診が推奨されている。低線量CTによる肺がん検診は、米国の大規模比較試験(NLST研究)でその有効性が検証されたが、対策型検診への導入は時期尚早である。今後の低線量CT肺がん検診は、高リスク群の選別、適切な検診間隔、鑑別診断、確定診断、精度管理などの課題解決が必要である。本邦で低線量CT検診の認定医師・認定技師の資格制度が運用されている。現行の胸部写真検診の精度管理体制のみならず、任意型検診として実施されている低線量CT肺がん検診の精度管理体制の整備などが喫緊の課題である。
ISSN:1347-0086
1884-4103
DOI:10.7143/jhep.41.300