マウス内耳への薬剤・遺伝子導入,およびホールマウント標本作製のための側頭骨解剖・手技

「はじめに」 内耳基礎研究においてマウスは依然として重要な実験動物である. In vivoで行う薬剤投与および遺伝子治療の実験や, 蝸牛や前庭の免疫組織学的検討を行う際にも, 側頭骨解剖および標本作製の方法をあらかじめ学習しておくことは重要である. しかし, マウス側頭骨解剖に関するまとまった成書や論文はほぼ皆無であり, マウス解剖アトラスのごく一部, もしくは各論文の方法に一部記載されるに留まっている. 本総説では著者が撮影した写真を用いて, マウスの側頭骨解剖に必要な知識, および標本作製の方法について述べる. これまで内耳基礎研究を行ってきた施設では諸先輩方から必要なノウハウが受け継がれ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inEquilibrium Research Vol. 83; no. 6; pp. 473 - 478
Main Authors 小口, 亜莉沙, 工, 穣, 吉村, 豪兼
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 31.12.2024
日本めまい平衡医学会
Online AccessGet full text
ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.83.473

Cover

More Information
Summary:「はじめに」 内耳基礎研究においてマウスは依然として重要な実験動物である. In vivoで行う薬剤投与および遺伝子治療の実験や, 蝸牛や前庭の免疫組織学的検討を行う際にも, 側頭骨解剖および標本作製の方法をあらかじめ学習しておくことは重要である. しかし, マウス側頭骨解剖に関するまとまった成書や論文はほぼ皆無であり, マウス解剖アトラスのごく一部, もしくは各論文の方法に一部記載されるに留まっている. 本総説では著者が撮影した写真を用いて, マウスの側頭骨解剖に必要な知識, および標本作製の方法について述べる. これまで内耳基礎研究を行ってきた施設では諸先輩方から必要なノウハウが受け継がれていると思われるが, それ以外の施設でも, 本稿などを通じて知識を共有することによって内耳基礎研究が可能となり, また議論するための素材となれば幸いである. (本研究は信州大学動物実験委員会で承認されている[承認番号: 020116])
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.83.473