小児出血型もやもや病に対する直接血行再建

大半が虚血型を占める小児もやもや病において,出血型はまれであり,直接血行再建が再出血予防に有効であるかどうかは明らかではない.小児出血型に対して直接血行再建を行った自験例5例を検討した.10半球中9半球で脈絡叢型側副路が陽性であり,脈絡叢型側副路の術後退縮率は他の脆弱側副路と比べて高かった(87.5%).全例でバイパスは開存し,追跡期間中の再出血はなかった.小児出血型の特徴の一つとして脈絡叢型側副路の存在が示唆され,その退縮効果の高い直接血行再建は小児出血型に対して有効である可能性が示唆される....

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Published in小児の脳神経 Vol. 45; no. 4; pp. 327 - 331
Main Authors 宮本, 享, 高橋, 淳, 舟木, 健史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児神経外科学会 2020
日本小児神経外科学会
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ISSN0387-8023
2435-824X
DOI10.34544/jspn.45.4_327

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Summary:大半が虚血型を占める小児もやもや病において,出血型はまれであり,直接血行再建が再出血予防に有効であるかどうかは明らかではない.小児出血型に対して直接血行再建を行った自験例5例を検討した.10半球中9半球で脈絡叢型側副路が陽性であり,脈絡叢型側副路の術後退縮率は他の脆弱側副路と比べて高かった(87.5%).全例でバイパスは開存し,追跡期間中の再出血はなかった.小児出血型の特徴の一つとして脈絡叢型側副路の存在が示唆され,その退縮効果の高い直接血行再建は小児出血型に対して有効である可能性が示唆される.
ISSN:0387-8023
2435-824X
DOI:10.34544/jspn.45.4_327