IFALD に対する魚油由来脂肪乳剤の治療成績
「I 背景」小腸機能不全肝機能障害 (Intestinal failure associated liver disease : IFALD) は, 100,000出生に対して24.5人の頻度で発生し, その30~60%で長期静脈栄養管理が必要とされる. 長期静脈栄養, 新生児の未熟性, 頻回におよぶ手術, 経腸栄養の不足, 敗血症が, 黄疸・肝機能障害のリスクファクターとされ, その致死率は37.5%に及ぶ重篤な疾患である. 近年, IFALDに対する新たな治療選択肢として, 魚油由来のω3系脂肪乳剤 (Omegaven(R)) が登場し, 欧米ではIFALDを呈する新生児・乳児において安全...
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Published in | 外科と代謝・栄養 Vol. 51; no. 2; pp. 79 - 83 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本外科代謝栄養学会
2017
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Subjects | |
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ISSN | 0389-5564 2187-5154 |
DOI | 10.11638/jssmn.51.2_79 |
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Summary: | 「I 背景」小腸機能不全肝機能障害 (Intestinal failure associated liver disease : IFALD) は, 100,000出生に対して24.5人の頻度で発生し, その30~60%で長期静脈栄養管理が必要とされる. 長期静脈栄養, 新生児の未熟性, 頻回におよぶ手術, 経腸栄養の不足, 敗血症が, 黄疸・肝機能障害のリスクファクターとされ, その致死率は37.5%に及ぶ重篤な疾患である. 近年, IFALDに対する新たな治療選択肢として, 魚油由来のω3系脂肪乳剤 (Omegaven(R)) が登場し, 欧米ではIFALDを呈する新生児・乳児において安全で有効であると報告されている. わが国においてはOmegaven(R)はいまだ承認されておらず, ω3系脂肪乳剤の使用経験とその効果についての報告は少ない. 「II 方法と患者」2011年9月から2015年12月まで当センターでω3系脂肪乳剤による栄養管理を行った外科的疾患による小腸機能不全14例を対象として, 治療成績を後方視的に検討した. |
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ISSN: | 0389-5564 2187-5154 |
DOI: | 10.11638/jssmn.51.2_79 |