非血縁者間末梢血幹細胞移植における採取施設と移植施設のCD34測定値に関する実態調査

CD34陽性細胞(CD34+)数は測定方法で差が生じうる.海外に遅れて非血縁者間末梢血幹細胞移植(UPBSCT)が開始された2011年以降に標準化が推進され,2016と2017年の国内初の外部精度評価研究で施設間差の改善を認めた.今回2020年2月までの約10年間のUPBSCTにおいて,採取施設と移植施設のCD34+測定値を比較し施設間差の実態と経時的変化を調査した.日本骨髄バンクより全1,047件のCD34+数(採取施設測定)を得たが,調査参加の117施設から得られた移植施設CD34+数の情報は257件であった.うち244件は採取施設の測定法情報も得た.両施設の値は高い相関を示した(r2=0...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 70; no. 3; pp. 431 - 439
Main Authors 高杉, 淑子, 田野崎, 隆二, 原口, 京子, 高梨, 美乃子, 奧山, 美樹, 金子, 誠, 上田, 恭典, 李, 悦子, 宮本, 京子, 池田, 和彦, 石丸, 文彦, 長村(井上), 登紀子, 髙橋, 敦子, 髙橋, 典子, 日本輸血・細胞治療学会細胞治療合同委員会造血幹細胞移植関連委員会造血細胞検査ワーキンググループ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 25.06.2024
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.70.431

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Summary:CD34陽性細胞(CD34+)数は測定方法で差が生じうる.海外に遅れて非血縁者間末梢血幹細胞移植(UPBSCT)が開始された2011年以降に標準化が推進され,2016と2017年の国内初の外部精度評価研究で施設間差の改善を認めた.今回2020年2月までの約10年間のUPBSCTにおいて,採取施設と移植施設のCD34+測定値を比較し施設間差の実態と経時的変化を調査した.日本骨髄バンクより全1,047件のCD34+数(採取施設測定)を得たが,調査参加の117施設から得られた移植施設CD34+数の情報は257件であった.うち244件は採取施設の測定法情報も得た.両施設の値は高い相関を示した(r2=0.854)が,最大5倍の差の外れ値も認めた.両施設がsingle platform法の159件と,片方または両方がdual platform法(DP group)85件とで違い率(差/平均)に有意差は無かった.2016~18年は2011~15年より違い率が有意に低下し,DP groupで顕著に改善した.しかし2019~20年には差が再び増加する傾向がみられ,継続的な標準化維持対策の必要性が示された.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.70.431