顎関節周囲違和感を伴う顔面非対称症例に対し外科的矯正治療を行った53歳女性の1例
「緒言」 骨格的不調和が大きく, 矯正歯科治療単独では機能改善を得ることが困難な症例においては, 中高年齢者であっても外科的矯正治療の適用となる機会が増加している. しかし, 欠損歯や歯周疾患など, 特有の問題を伴うことが多く, 動的矯正治療時や顎間固定時において歯周組織への負担軽減など治療上の配慮が必要となり, 後戻り対策もより重要となる. 今回, われわれは, 顔面非対称を伴う骨格性下顎前突の中年患者に対し外科的矯正治療を適用し, 歯周治療や補綴処置を含む集学的アプローチにより咬合機能, 顔面形態の改善に加えて, 顎関節周囲部の違和感解消がなされた症例を経験したので報告する. 「症例」 患...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 26; no. 3; pp. 243 - 254 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
15.08.2016
日本顎変形症学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
DOI | 10.5927/jjjd.26.243 |
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Summary: | 「緒言」 骨格的不調和が大きく, 矯正歯科治療単独では機能改善を得ることが困難な症例においては, 中高年齢者であっても外科的矯正治療の適用となる機会が増加している. しかし, 欠損歯や歯周疾患など, 特有の問題を伴うことが多く, 動的矯正治療時や顎間固定時において歯周組織への負担軽減など治療上の配慮が必要となり, 後戻り対策もより重要となる. 今回, われわれは, 顔面非対称を伴う骨格性下顎前突の中年患者に対し外科的矯正治療を適用し, 歯周治療や補綴処置を含む集学的アプローチにより咬合機能, 顔面形態の改善に加えて, 顎関節周囲部の違和感解消がなされた症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:初診時年齢53歳, 女性. 主訴:交叉咬合による咀嚼障害, 下顎前突および下顎骨左方偏位にともなう顔面形態不調和, 左顎関節および頬部違和感(圧迫感, つっぱり感). 既往歴:低血圧, 貧血傾向. 家族歴:特記事項なし. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd.26.243 |