サルコペニア患者に対する周術期栄養管理

「I はじめに」「1. サルコペニアとは?」近年, わが国は高齢化社会を迎え, さまざまな合併症をもったハイリスクな患者が手術対象となる例が増加し, 術後合併症のさらなる増加や, 医療費の増大が危惧されている. 老化に伴う重大な変化の一つに, 骨格筋量, 筋力の低下があり, この加齢による骨格筋量, 筋力の低下をサルコペニアと呼ぶことが提案され, その後, EWGSOP(European Working Group on Sarcopenia in Older People)により詳細な定義分類が提唱された. サルコペニアは, 加齢以外に原因が明らかでない「一次性サルコペニア」と, 低栄養や低...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 52; no. 1; pp. 41 - 46
Main Authors 大塚, 将之, 古川, 勝規, 鈴木, 大亮, 古川, 新
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 2018
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.52.1_41

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Summary:「I はじめに」「1. サルコペニアとは?」近年, わが国は高齢化社会を迎え, さまざまな合併症をもったハイリスクな患者が手術対象となる例が増加し, 術後合併症のさらなる増加や, 医療費の増大が危惧されている. 老化に伴う重大な変化の一つに, 骨格筋量, 筋力の低下があり, この加齢による骨格筋量, 筋力の低下をサルコペニアと呼ぶことが提案され, その後, EWGSOP(European Working Group on Sarcopenia in Older People)により詳細な定義分類が提唱された. サルコペニアは, 加齢以外に原因が明らかでない「一次性サルコペニア」と, 低栄養や低活動および疾患に起因する「二次性サルコペニア」に大別される. サルコペニアの病期分類は, 状態の重症度を示すものであり, EWGSOPは, 「プレ・サルコペニア」「サルコペニア」, 「重症サルコペニア」という概念的な病期分類を提案しており, 3つの基準である, 筋肉量, 筋力, 身体機能の低下のいずれが存在するかによって, 以下のごとく分類される.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.52.1_41