耐糖能異常から見た肥満判定基準の検討

【目的】異なる肥満判定基準による高血糖のリスクを比較するとともに、高血糖を予測するBMIと腹囲のカットオフ値を検討する。【方法】2013年のA県職域検診受診者15,278名中、データ欠損、糖尿病薬服用者、年齢20歳未満と60歳以上を除く11,579名(男6,678名、女4,901名)を対象とした。3つの肥満判定基準(BMI≧25kg/m2(BMI基準)、腹囲:男≧85cm、女≧90cm(JASSO腹囲基準)、腹囲:男≧90cm、女≧80cm(WHO腹囲基準))で、男女および年齢階層別に、高血糖(空腹時血糖(FBS):126、110、100mg/dL以上、HbA1c 6.5、6.0、5.6%以上...

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Published in総合健診 Vol. 46; no. 3; pp. 345 - 355
Main Authors 吉田, 礼子, 齋藤, 陽子, 旭, 久美子, 勝川, 史憲, 石井, 広二, 増野, 弥生, 荒井, 勝己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合健診医学会 10.05.2019
日本総合健診医学会
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ISSN1347-0086
1884-4103
DOI10.7143/jhep.46.345

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Summary:【目的】異なる肥満判定基準による高血糖のリスクを比較するとともに、高血糖を予測するBMIと腹囲のカットオフ値を検討する。【方法】2013年のA県職域検診受診者15,278名中、データ欠損、糖尿病薬服用者、年齢20歳未満と60歳以上を除く11,579名(男6,678名、女4,901名)を対象とした。3つの肥満判定基準(BMI≧25kg/m2(BMI基準)、腹囲:男≧85cm、女≧90cm(JASSO腹囲基準)、腹囲:男≧90cm、女≧80cm(WHO腹囲基準))で、男女および年齢階層別に、高血糖(空腹時血糖(FBS):126、110、100mg/dL以上、HbA1c 6.5、6.0、5.6%以上)の有病率・オッズ比を比較、ROC曲線でBMIと腹囲のカットオフ値を求めた。【結果】高血糖有病率は、男性ではBMI基準及びJASSO腹囲基準が類似していたが、女性では3基準で異なっていた。ROC曲線によるカットオフ値は、BMIは男性24.5~25.7(AUC 0.63~0.71)、女性21.3~25.0(AUC 0.62~0.86)、腹囲は男性 80.9~89.2cm(AUC 0.66~0.74)、女性 76.9~85.0cm(AUC 0.63~0.88)だった。高血糖を予測するカットオフ値は、FBS、HbA1cの基準を厳しくすると下がる傾向だったが、男性のBMIのみ25前後で一定していた。【結論】本研究対象者では、高血糖を予測するカットオフ値は、女性は現行の肥満判定基準より低値であり、さらなる検討の必要性が示唆された。
ISSN:1347-0086
1884-4103
DOI:10.7143/jhep.46.345