COVID-19患者に対する内視鏡診療
背景:消化器内視鏡は,大量の飛沫やエアロゾルが発生することにより,COVID-19感染リスクが非常に高い手技として認識されている.特にCOVID-19患者に対する内視鏡は,感染リスクが高い行為であり,その適応や診療体制に関しては十分な検討が必要である.対象:2020年4月から2021年10月までに当院で経験したCOVID-19患者に対する内視鏡施行例を対象とする.結果:COVID-19患者に対しては,術者および介助者ともに,full PPEを着用し,陰圧個室内で検査を施行した.適応はバイタルサインの変動を伴う顕性出血例を適応とした.検討期間内に,6症例22件の内視鏡が施行されており,その内訳は...
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          | Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 100; no. 1; pp. 36 - 40 | 
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| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
    
        30.06.2022
     日本消化器内視鏡学会関東支部会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1348-9844 2187-4999  | 
| DOI | 10.11641/pde.100.1_36 | 
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| Summary: | 背景:消化器内視鏡は,大量の飛沫やエアロゾルが発生することにより,COVID-19感染リスクが非常に高い手技として認識されている.特にCOVID-19患者に対する内視鏡は,感染リスクが高い行為であり,その適応や診療体制に関しては十分な検討が必要である.対象:2020年4月から2021年10月までに当院で経験したCOVID-19患者に対する内視鏡施行例を対象とする.結果:COVID-19患者に対しては,術者および介助者ともに,full PPEを着用し,陰圧個室内で検査を施行した.適応はバイタルサインの変動を伴う顕性出血例を適応とした.検討期間内に,6症例22件の内視鏡が施行されており,その内訳は上部消化管スクリーニング検査1症例1件,上部消化管出血3症例3件,下部消化管出血2症例18件であった.内視鏡検査に伴う院内感染の発生は認めなかった.考察:COVID-19患者への内視鏡検査は,感染リスクの高い行為であるが,適切な感染対策を行えば,内視鏡による院内感染の発生は認められなかった.しかし,その適応に関しては,血管内治療などの他の選択肢も考慮に入れて,慎重に検討する必要がある. | 
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| ISSN: | 1348-9844 2187-4999  | 
| DOI: | 10.11641/pde.100.1_36 |